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赤ワイン完全ガイド
スロヴェニアの赤ワインを徹底解説。レフォスクやテランなどの固有品種、味わい、食文化まで、初心者からプロまで楽しめる完全ガイドです。スロヴェニアの黒ぶどう
スロヴェニアは冷涼な産地なので、7:3で白ワインの国です。黒ぶどうはロゼワインやロゼスパークリングワインにもなるため、実際の赤ワイン生産量の割合は正味1割程度にとどまります。さらに日本に輸入されているスロヴェニアワインの多くが白またはオレンジワインであるため、日本市場で赤ワインの選択肢はかなり限られています。その中でも栽培面積が最も多いのはレフォスク(Refosk/Refosco)、次いで国際品種のメルローです。
主たる黒ぶどう
▼国際品種メルロー、Modri Pinot:モドリピノ=ピノノワール、カベルネ ソーヴィニョン、バルベーラ、シラー、ツヴァイゲルト、ガメイ、Modra Frankinja:モドラフランキニヤ=Blaufränkisch:ブラウフレンキッシュ
▼伝統的な土着品種
Refosk:レフォシュク=Refosco:レフォスコ、Šentlovrenka: シェントロヴレンカ=Saint Laurent:サンロラン(仏)
▼珍しい固有品種
Žametovka:ツアメトフカ=Modra Kavčina:モドラカウチナ= Kölner Blauer: ケルナー・ブラウアー(独)、Muscat rose(a)(Cipro): キプロスのマスカット・ローザ
世界最古のぶどう木
スロヴェニア・マリボルの旧市街、いわゆる「ぶどう酒通り/ Vinska Ulica」には、樹齢400年以上にもなる世界最古のぶどうの木「ストーラ・トルタ/ Stara Trta」があります。この木が育む品種が、黒ぶどうの Žametovka/ ツアメトフカ。毎年、収穫されたぶどうから100本前後がワインに仕立てられます。100mlや250mlの伝統的なミニボトルに詰め、文化イベントなどで提供されます。気になる古木のワインのお味は、品種の特徴でもある、明瞭な酸と渋み、私たちが普段口にするワインとは一線を画す、歴史と個性を感じる味わい。現地で運良く出会ったら、ぜひ試してみて!
赤ワインの歴史
1980年代までのスロヴェニアの赤ワインは品質が低く、酸味や渋みがきつく、地元ではコーラで割って飲まれるほどでした。社会主義時代の大量生産が背景にあり、「庶民のお酒」という位置付けでした。しかし1991年のユーゴスラビア独立後、EU基準の導入やドメーヌ元詰め、小規模ワイナリーの台頭により、品質は徐々に改善しました。現在では、国際的な評価を受ける赤ワインも少しずつ登場するようになってきています。
赤ワインの味わい
オレンジワインが主力のスロヴェニアでは、赤ワインも同じく果皮の抽出をしっかり行うため、酸も果実味もタンニンも力強いのが特徴です。レフォスクは濃い紫色を帯び、プラムやブラックチェリーの香り、土っぽいニュアンスがあり、酸と渋みの骨格を持つ飲みごたえのあるワインです。メルロー、ピノノワール、カベルネ・ソーヴィニョンなども造られていますが、軽やかさよりも重厚さに寄りがちです。辛口でありながら果実由来のボリュームが「甘みのニュアンス」として感じられることもあり、「濃厚」「骨太」「甘濃さ」のあるワインが多いです。
赤ワインのスタイル
現在のスロヴェニアの赤は、かつての品質と比べれば飛躍的に良くなりましたが、それでも白やオレンジに比べると品質面では及ばないとされています。(例:ラディコン。本音です。)価格面では赤の方が高くなることが多いのに対し、完成度や洗練度は白・オレンジが優位です。実際にスロヴェニア人自身も、日常的に飲むのは圧倒的に白とオレンジであり、赤は料理に合わせるときに選ばれる程度です。醸造の特徴としては、自然派の最先端を行くHGW(ヒープスグッドワインカンパニー)を除けば、全房発酵を取り入れる造り手はほとんどなく、果皮と種を長期間醸すことで濃厚で力強い赤に仕上げるのが一般的です。そのため冷涼な気候にもかかわらず、「エレガント」「繊細」「ジューシー」「うす旨」といった表現は当てはまらず、重厚で飲みごたえのあるスタイルが主流です。こうした赤ワインは、農村部の例えば、イストリア地方の牛・羊・猪の煮込みやグリル、カルスト地方の羊・プロシュート、ドレンスカ地方の豚・ソーセージと好相性で、食文化の一部として根付いています。Teran(テラン)などの原産地呼称になっている赤ワインが有名です。
かつてはコーラで割られていた赤ワインが、今では「食文化に寄り添う力強いワイン」として再評価されているのです。365wineで取り扱う、数少ない赤ワインは、設立当初から長い年月をかけて発掘した逸品です。赤ワインのイマイチな国で、美味しい赤ワインを探すのは骨の折れることでした。最新情報や評価が集まるワインショップやワインバーで聞き込みをしたり、舌の確かなワイナリーに紹介してもらったり、実際に何十軒もの生産者を尋ね歩きました。そうして「これだ!」と思った自信作を輸入していますので、どうぞご安心ください。初めての方、また美味しいスロヴェニアの赤ワインに出会ったことのない方にも是非、お試し頂きたいです!
数字で比較する日本とスロヴェニア
最後に日本とスロヴェニアの「ワイン」を「数字」で比べてみましょう。参考文献 : ワインの世界地図▼日本
世界ランキング(生産量) 27位
栽培面積 18,000ha
年間生産量(100万L) 86
黒 : 白 栽培ぶどう比率 65:35
収穫 9月
ワイン造り歴史 1874年〜
伝えた人 ポルトガル人
▼スロヴェニア
世界ランキング(生産量) 32位
栽培面積 16,000ha
年間生産量(100万L) 54
黒 : 白 栽培ぶどう比率 30:70
収穫 8-10月
ワイン造り歴史 紀元前400年〜
伝えた人 ケルト人
ワイナリー数は、日本は全国に(佐賀県を除き)493軒あります。スロヴェニアは四国ほどの広さにぶどう農家が28,000軒あり、ワイナリー数もそれに準じます。平均すると1生産者あたりの畑は0.57haと非常に小規模で、家庭用の自家醸造も盛んです。年間1人あたり46Lのワインを消費する国民性であり、アルコール度数45度以下の醸造酒は製造免許不要のため、ホームメイドワインやガレージワイナリーが数多く存在します。
財務省の貿易統計によると、2017年の日本のワイン輸入数量は2.4億本。スロヴェニアからは約3,600万円規模(約3.6万本)のワインが輸入されました。2025年現在、弊社の日本市場シェアは36%。「スロヴェニアワインと言えば365wine」と言って頂けるよう、これからも精進して参ります♩




