ワイナリーが来日でこっそり持参した隠し玉ワイン！！
Profile/プロフィール
タイプ/白（辛口度 ★★★★☆）
産地/スロべニア、ポドラウィエ地方、プレックムリエ
生産者/MAROF(マロフ)
品種/シャルドネ
ヴィンテージ/2020
アルコール度数/13%前後
容量/750ml
適温/15~17℃
Taste
感動レベルの品質です。私たちが普段口にするシャルドネとは少し印象が異なるかもしれません。南オーストリアのシュタイヤーマルクと重なる部分がありつつも、独創的で心を揺さぶられるような白ワインです。完熟ぶどうと微オキシデーション由来の黄桃＆白桃の香りから、内陸の北のワイン産地ですが、南の温暖な産地が浮かんできます。ストラクチャーのある酸、こっくりとした樽のニュアンス、ふくよかで丸いイメージです。果実からくる厚みとミネラルが、洪水のように口の中に溢れます。原料であるぶどうの存在感が樽に勝っています。永遠に続くかのような豊潤なアフターが、まるで夢見心地です。優雅な休日や記念日に飲みたい1本です！開くのに半日〜1日ほど時間を要します。早めの抜栓でゆっくりお楽しみ下さい。
Marriage
《おすすめの料理》 考え中です。かなりワインとしての完成度が高いので、無理に食事と合わせなくても良いです。チキンやポークなどのソテー、白身魚のムニエル、シーフードのグリル、アクアパッツァなど食事のクライマックスから終盤にかけてぴったりです。クルミのカンパーニュ、上質な生ハムやチーズと合わせて、ワインが主役でもOK！素敵な時間をお約束します。
Story
蔵元が来日のために持参した隠し玉！！
ワイナリーでの生産本数が1200本とかなり少ないワインですが、今回は日本訪問を記念して特別にわけて頂きました。
スロヴェニア第二の都市「マリボル」から車で1時間ほど内陸に進むと、ムルスカソボタという村があります。そこを拠点に活躍しているのがMAROFです。ポドラウィエ地方のゴリッチコリージョンは、シュタイヤーマルクの東にあり、プレックムリエと言います。オーストリアとハンガリーもすぐそこです。ワイン名のクラマロブチは畑名で、ちょうどオーストリアとの国境に位置しています。かねてから黒海やパンノニア平原の影響を受け、ワイン造りに恵まれた土地で古くからぶどうは栽培されています。土壌もワイン造りに適しています。玄武岩凝灰岩、カルシウムが含有する砂のマール、残留する海の沈殿物が入り混じっています。このあたり一帯は海の底であったため、次第にサンゴや有機物が堆積して、貝殻の化石(有孔虫)を含む石灰質から構成されます。年間の降水量は500�个半�なく乾燥したエリアです。特筆すべきは半大陸性気候ですが、海に面した温暖なコーストサイドよりも、日照量が多いこと。太陽光をさんさんと浴びたぶどうは、遅摘みをせずとも酸を十分に残して完熟します。また、朝晩の気温差が激しいのもフェノール熟成を助け、美しいアロマとエレガントさをワインに与えます。
この内陸のワイン産地では、白ワインの生産が大半を占めています。収穫は9月中旬から末にかけて行われます。圧搾までに選果(未熟果や腐敗果を取り除く作業)を2回します。そこにも驚きました。と言うのもスロヴェニアで選果をする生産者には出会ったことがなかったからです。人件費が毎年5%の上昇で(日本と同等かもしくは最近は所得も高い)、経済成長を遂げているスロヴェニアでは、これ以上コストをかけてワインの価格を上げたくないのが本音です。他ワイナリーが選果をしない理由は明白でした。しかし、MAROFは多額の人件費をかけ、極上の粒のみを使用します。同生産者のボドンツイソーヴィニョンと同じく、長くて良質なコルク(DIAM10)がこのワインにも使われています。ワイン(我が子)への愛情がコルクからも感じられます。MAROFの優れた醸造技術、センスとパッションが合わさり、そこのワインを大切に想う気持ちも加わり、至高のワインとなるのです。
自信を持っておすすめできる本当に良いワインです。ラスト1本のみです、是非どうぞ！
