ペアリングシリーズ 第1章

和食 × オレンジワイン

味を科学でひも解く|マリアージュ実践ガイド

オレンジワインは和食に合うと言われます。でも「なぜ合うのか」「どう合わせればいいのか」までわかっている人は多くいません。このページを読めば、照り焼き、刺身、揚げ物など、どんな和食にでもオレンジワインを選べるようになります。まずはペアリングの早見表で全体を理解し、その後に具体的な組み合わせを見ていきましょう。

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なぜ和食に合うのか

その理由は3つあります。

1. ワインのタンニンが和食の旨味・味を整えるから。

2. ワインの酸が甘辛や脂の後味を食べやすくするから。

3. ワインと和食はどちらも発酵由来の複雑さがあるから。


つまり、「お互いの存在を引き立てる」組み合わせだからです。和食とオレンジワインは、感覚的に合うのではなく、それぞれの味わいに基づいて説明できます。それでは、味わいごとに見ていきましょう。

オレンジワイン5タイプ

オレンジワインをタイプ別に5つに分類しました。こちらを基準に、「早見表」で相性を確認しましょう。

1 すっきり軽めオレンジ

渋み:弱い/重さ:軽い
印象:透明感・繊細・ライト

相性: 出汁柑橘

2 さっぱり酸ありオレンジ

酸:豊か・はっきり
印象:シャープ・ミネラル・引き締まり

相性: 出汁醤油柑橘

3 ほどよいバランスオレンジ

渋み:中/酸:中
印象:果実と皮の均衡・まろやか

相性: 醤油味噌甘辛発酵

4 コクありオレンジ

渋み:中〜やや強
印象:厚み・濃厚・熟成感

相性: 甘辛醤油味噌苦味発酵

5 しっかり渋みオレンジ

渋み:強い
印象:力強い・野性味・個性あり

相性: 苦味炭火発酵熟成

ワインペアリング早見表

和食「味の軸」× オレンジワイン5タイプ

味の軸 おすすめワイン 料理例 合わせるポイント
塩・旨味(出汁) 123 ほうれん草のお浸し、出汁巻き卵、鯛の酒蒸し、湯豆腐、蛤のお吸い物 旨味が強いほど、ワインのミネラル/透明感が際立つ
醤油 234 鮭の幽庵焼き、太刀魚の醤油焼き、鶏もも肉の醤油焼き、焼きおにぎり 旨味と塩には、果実×皮のバランスタイプが合わせやすい
味噌 34 味噌漬け豚ロース、こんにゃく田楽、ナスの味噌炒め、鯖の味噌煮 ボディが薄いと負ける。コク・厚みのあるワインが◎
23 キュウリとワカメの酢の物、鯵の南蛮漬け、しめ鯖、蛸の酢味噌和え 清潔感のある酸と。揮発酸を感じる組み合わせは回避すべし
柑橘 123 すだちを絞った焼き魚、柚子胡椒を添えた焼き鳥、ポン酢の冷しゃぶ 香りの酸+皮の苦み。柑橘ピール/ハーブ寄りのワインが好相性
甘辛(味醂・砂糖) 34 鰤・鶏の照り焼き、焼き鳥タレ、すき焼き、鰈の煮付け、煮穴子 甘さにワインの渋みがぶつかる場合あり。コクまろワインと
脂(油・揚げ) 123 海老の天ぷら、鶏の唐揚げ、鯵フライ、豚カツ、銀だら、トロ 脂は酸/ミネラル/軽さのワインですっきり切る
生(刺身・冷菜) 123 平目の刺身、鯛の昆布締め、鰹のたたき、冷奴、枝豆、もずく ワインの渋みが勝つと食材の生臭さが出やすい→薄旨ワイン◎
苦味 45 ふきのとうの天ぷら、炭火焼き鶏レバー、鰻の蒲焼、ホタルイカ 苦味にはタンニン/スモーク/野性味のワインがよい
発酵・熟成 345 ぬか漬け、粕漬け鰊、酒盗、へしこ、カラスミ 旨味×熟成ニュアンス。余韻の長いワインが合う

塩・旨味(出汁)|ワインが“薄旨”を底上げ

旨味の正体

和食の旨味は、グルタミン酸(昆布・トマト)、イノシン酸(鰹・煮干し)、グアニル酸(干し椎茸・きのこ)など。これらのアミノ酸に由来する成分は組み合わさることで、その相乗効果により旨味が大幅に増します。これが「出汁を深く感じる」理由です。旨味は甘味や塩味のように主張は強くありませんが、口の中に長く持続します。


なぜオレンジワインと合うのか

オレンジワインには軽いタンニン、ポリフェノール(果皮由来の成分)が含まれています。旨味成分は唾液の分泌も促します。タンニンはその唾液と結びつきます。タンニンが強すぎると口の中が乾き、出汁の余韻が途切れます。しかし、弱〜中程度のタンニンであれば、出汁の味を引き締め、後味を整える方向に働きます。これが薄旨の和食とオレンジワインが合う理由です。


合う/合わないオレンジワイン

〇 すっきり軽めオレンジ(フレッシュ)1

〇 さっぱり酸ありオレンジ(やや軽め)2

〇 ほどよいバランスオレンジ(タンニン控えめ)3

× しっかり渋みオレンジ 5

× 甘みが目立つもの

× 樽香が強いもの


料理例

トマトやナスのお浸し、出汁巻き卵、湯豆腐、鯛の吸い物、アサリの酒蒸し、きのこの炊込みご飯、煮干し出汁の味噌汁など。


実践のコツ

色が濃すぎない、渋みが主役でない、塩味・ミネラルを感じるワイン。迷ったらこの3点に気を付けるだけで、ペアリングを外しません。

醤油|発酵の旨味と塩が “酸を立たせる”

醤油の正体

醤油は大豆と小麦を糀で発酵させて造ります。主成分はアミノ酸(旨味)、有機酸、塩分、そして発酵由来の香り。言わば「旨味のかたまり+塩味+発酵香」という構造です。加熱すると糖とアミノ酸により「メイラード反応」が起き、焼き目の香ばしさも加わります。


なぜオレンジワインと合うのか

醤油とオレンジワインの共通点はいくつかあります。まず中程度のタンニン、そしてアミノ酸があること。程よいタンニンは味をまとめ上げ、濃厚な旨味はワインと食材を繋ぎます。次に発酵食品同士であること。醤油は麹発酵、オレンジワインは果皮ごと醸す発酵。どちらも単純な塩味や酸味ではなく、発酵由来の複雑さを持っています。方向性が近いため、味が分離しにくいのです。最後に塩分と酸の関係です。醤油の塩味はワインの酸をはっきり感じさせます。刺身に醤油をつけた瞬間、ワインの輪郭が際立つのはこの作用によるものです。


合う/合わないオレンジワイン

〇 さっぱり酸ありオレンジ(甘さ控えた料理)2

〇 ほどよいバランスオレンジ 3

〇 コクありオレンジ 4

× すっきり軽めオレンジ 1

× しっかり渋みオレンジ 5


料理例

鯛の刺身(醤油)、鯖・鮭の醤油焼き、鰆の幽庵焼き、焼きおにぎり、鶏もも肉の醤油焼きなど。


実践のコツ

醤油の分量が多い(=旨味・塩分が多い)ほどワインにも“厚み”が必要です。刺身のように軽い料理なら「ほどよいバランスオレンジ」、焼き魚や漬け焼きなら「コクありオレンジ」が合います。甘みのある照り焼きは、甘辛の味わい軸で考えましょう。

味噌|コクには “コク”が王道

味噌の正体

味噌は大豆を麹で発酵させた調味料です。種類の違いはあれど基本的には、アミノ酸(旨味)に加え、糖分、脂質、発酵由来の豊かな香りが重なり、濃いコクを持ちます。塩味だけでなく「厚み」が味の中心になります。醤油よりも粘性があり、口の中に長く残るのが特徴です。


なぜオレンジワインと合うのか

結論から言うと、味噌の旨味と粘度に、オレンジワインのタンニンと果実の厚みが釣り合うから。そのため味噌を使った料理には、軽いワインでは物足りません。コクにはコクで合わせるのが王道です。オレンジワインの中でも、タンニンが中程度以上で、果実に厚みのあるタイプは味噌の重さにも負けません。味噌は脂質も含むため、酸が適度にあるワインの方が後味がキレイです。一方で軽すぎるワインは味噌に埋もれ、渋みが強すぎるワインは塩分で渋みが立ちやすくなります。


合う/合わないオレンジワイン

〇 ほどよいバランスオレンジ 3

〇 コクありオレンジ 4

△ さっぱり酸ありオレンジ(軽い白味噌なら可)2

× すっきり軽めオレンジ 1

× しっかり渋みオレンジ(渋味が目立つ)5


料理例

こんにゃく田楽、鯖の味噌煮、味噌漬け豚ロース、茄子の味噌炒め、味噌仕立ての鍋など。


実践のコツ

味噌の色が濃いほど、ワインにも深みが必要です。甘味噌はワインに熟成感や丸みがあると安定します。白味噌は「ほどよいバランスオレンジ」、赤味噌や熟成味噌は「コクありオレンジ」を目安にすると上手くいきます。

酢|“ツン” は酸の質・量で決まる

酢の正体

酢の主成分は酢酸です。揮発しやすく鼻に抜ける酸です。ワインにも酢酸は含まれますが、主体は酒石酸・リンゴ酸・クエン酸などの安定した有機酸です。つまり、酢とワインに存在する酸は性質が異なります。


なぜオレンジワインと合うのか

料理とワインの酸の「質」と「強度」が揃えば、無敵の組み合わせです。酢を使った料理は、酸が味の中心になります。そこでワインの酸が弱いと全体がぼやけます。ワインの果実味が感じにくくなり、酸の印象が料理に押され、酸はタンニンを強く感じさせるため「渋みだけが浮く」というバランス崩れも起きます。十分な量と同質の酸を持つワインであれば、(ドライ、高酸、揮発酸がおだやか)料理と釣り合いが取れます。


合う/合わないオレンジワイン

〇 さっぱり酸ありオレンジ 2

〇 ほどよいバランスオレンジ(軽い酢料理なら可)3

△ すっきり軽めオレンジ(酸が弱いと負ける)1

× コクありオレンジ(重く感じやすい)4

× しっかり渋みオレンジ(酢で渋味が立つ)5

× 甘みが目立つもの

× 樽香が強いもの

× 揮発酸が強いもの


料理例

キュウリとワカメの酢の物、しめ鯖、鯵の南蛮漬け、酢豚、蛸の酢味噌和えなど。


実践のコツ

酢が利いている料理ほど、ワインの酸度も高い方が良いです。甘酢なら「ほどよいバランスオレンジ」、酸っぱい料理なら「さっぱり酸ありオレンジ」が合います。

柑橘|香りの酸+皮の苦みは “ピール感”

柑橘の正体

柑橘の酸は主にクエン酸です。酢の酢酸のように揮発性が高い酸ではありません。柚子、すだち、かぼすなどは、酸味、精油の香り、皮のほろ苦さ、この3つが同時に存在します。特に皮の香り成分(リモネンなど)は、香りとして料理の印象を大きく左右します。


なぜオレンジワインと合うのか

オレンジワインは果皮とともに醸されます。そのため軽い渋味、皮のニュアンス、時折ハーブや柑橘のピール香を持つことがあります。柑橘を使った料理の「皮のほろ苦さ」とオレンジワインの「果皮由来ポリフェノール」は方向性が近いです。酢を用いた料理は“酸”を合わせますが、柑橘の料理は“香りと苦み”を合わせる感覚です。見事にマッチングすると感動のマリアージュが体験できます。


合う/合わないオレンジワイン

〇 すっきり軽めオレンジ 1

〇 さっぱり酸ありオレンジ(甘さ控えた料理)2

〇 ほどよいバランスオレンジ 3

△ コクありオレンジ(重く感じることあり)4

× しっかり渋みオレンジ(苦味が強調されやすい)5


料理例

すだちを絞った秋刀魚、柚子胡椒を添えた焼き鳥、ポン酢で食べるしゃぶしゃぶ、白身魚の柚子締めなど。


実践のコツ

タンニンが強すぎるワインは、柑橘の爽やかさを消し、苦みだけを目立たせます。ポイントは軽いタンニン、柑橘ピールやハーブのニュアンス、酸は中〜やや高めであることです。

甘辛(味醂・砂糖+塩)|甘さと塩のバランス

甘辛の正体

和食の甘辛味は、味醂や砂糖の糖分に、醤油や味噌の塩分と旨味が加わった味です。単なる甘さではなく、糖分(粘度と持続性)、塩分(骨格)、アミノ酸(旨味)、加熱による濃縮。この4つが合わさり、味が強く長く残ります。


なぜオレンジワインと合うのか

甘辛の“濃さ”に、ワインの厚みと丸いタンニンが、驚くほど親和性を発揮します。注意すべきは、糖分とタンニンの関係です。糖はタンニンの渋みを強調します。そのため、強いタンニンを持つワインは基本的に不向きです。その一方で果実感があり、タンニンが優しいタイプは、甘さと衝突せず味の強さに寄り添います。ここで重要なのは、甘さを酸で切ろうとしないこと。酸が強すぎると、料理だけが甘く感じられます。料理とワインは「同ボリューム」でなければなりません。


合う/合わないオレンジワイン

〇 ほどよいバランスオレンジ 3

〇 コクありオレンジ 4

△ さっぱり酸ありオレンジ(甘さが弱い場合のみ)2

× すっきり軽めオレンジ 1

× しっかり渋みオレンジ 5


料理例

鰈の煮付け、鰤の照り焼き、鶏の照り焼き、すき焼き、甘ダレ焼き鳥、煮穴子など。


実践のコツ

甘辛い料理ほど、果実の厚み、熟成による丸み、タンニン中程度までを目安にします。「料理の甘さを抑える」のではなく、甘辛の強さと釣り合うワインを選ぶ。これが基本です。

脂(油・揚)|“酸・ミネラル・軽さ” で切る

脂の正体

揚げ物や油を使った料理は、脂質が味の中心になります。脂質は水に溶けにくいため舌に膜を張り後味を重くします。さらに脂は香り成分を保持しやすい性質があります。特に揚げ物は、衣や油が口の中にとどまりやすい料理です。


なぜオレンジワインと合うのか

脂に対して効果的なのは「切る力」です。オレンジワインの中でも、酸がはっきりしていて、ミネラル感があり、タンニンが弱〜中程度のタイプは、脂をよく洗い流します。酸は脂を分解するわけではありませんが、脂の後味をさっぱりと軽く感じさせます。ワインのミネラル感は塩味との相性が良く、天ぷらや塩で食べる揚げ物とよく合います。


合う/合わないオレンジワイン

〇 すっきり軽めオレンジ 1

〇 さっぱり酸ありオレンジ 2

〇 ほどよいバランスオレンジ(重すぎなければ可)3

× コクありオレンジ(油+厚みで重くなる)4

× しっかり渋みオレンジ(渋味が立つ)5


料理例

海老の天ぷら、鶏の唐揚げ、鯵フライ、豚カツ、秋刀魚の塩焼き、銀だら、鴨鍋、トロなど。


実践のコツ

脂っこいほど、酸を優先し、タンニンは控えめ、ドライなタイプを選びます。「脂はコクで合わせる」のではなく軽さで対抗するのがコツです。

生(刺身・冷菜)|“渋み” を立てない!

刺身の正体

刺身や冷菜は加熱していないため、味が繊細です。生魚には微量の鉄分や不飽和脂肪酸が含まれており、それが強いタンニンと反応すると、金属的な印象や生臭さが強調されることがあります。そのため生魚と合わせる場合はワインの「タンニン」が重要になります。


なぜオレンジワインと合うのか

強すぎないタンニンと十分な酸があれば、刺身の繊細さを壊しません。オレンジワインは赤ワインほどタンニンが強くありません。適度なポリフェノールは、旨味を引き締めつつ、料理の生臭さを抑え、脂を軽く感じさせ、味をストレートに届けてくれます。


合う/合わないオレンジワイン

〇 すっきり軽めオレンジ 1

〇 さっぱり酸ありオレンジ 2

〇 ほどよいバランスオレンジ(軽い魚まで)3

× コクありオレンジ 4

× しっかり渋みオレンジ 5

× 甘みが目立つもの

× 樽香が強いもの

× 揮発酸が強いもの


料理例

鯛の刺身、平目の昆布締め、白身魚の和風カルパッチョ、鰹のたたき、冷奴、枝豆、白和え、もずくなど。


実践のコツ

生魚ではタンニンを弱めに、酸は中〜やや高め、ミネラル感があるワインを選びます。渋みを立てないことが最優先。これが刺身とオレンジワインのペアリングの鉄則です。

苦味|“しっかり渋み” が受け止める

苦味の正体

和食の苦味は、山菜、内臓、焦がしに見られます。苦味の主成分はポリフェノールやアルカロイドなど。加熱や炭火によっても苦味は強まります。甘味や旨味と違い、苦味は鋭く、余韻に残りやすい味です。


なぜオレンジワインと合うのか

今までと真逆の発想になります。苦味には、軽さではなく強度が必要です。渋めのワインは苦味と衝突せず、同じ方向に並びます。もし苦味に軽いワインを合わせると、苦味だけが前に出て、料理が強く感じ、ワインが弱く感じるという現象が起きます。苦味には、苦味で受け止めるのが成功の秘訣です。


合う/合わないオレンジワイン

〇 コクありオレンジ 4

〇 しっかり渋みオレンジ 5

△ ほどよいバランスオレンジ(軽い苦みまで)3

× すっきり軽めオレンジ 1

× さっぱり酸ありオレンジ(酸が苦味を強調)2


料理例

ふきのとう・たらの芽の天ぷら、炭火焼き鶏レバー、ホタルイカの酢味噌和え、春菊のおひたし、ゴーヤチャンプルー、鰻の蒲焼き(焦げ強め)など。


実践のコツ

苦味が強いほど、タンニンは強めで、果実に厚み、アルコールの骨格が必要です。「苦味をワインで消す」のではなく、同じ苦味のあるワインと合わせるのがポイントです。

発酵・熟成|旨味×熟成はオレンジの得意分野

発酵・熟成の正体

和食には、発酵や熟成を経たユニークな食材・珍味があります。ぬか漬け、鮒寿司、塩辛、納豆など、これらは単純な味わいではありません。発酵によりアミノ酸が増え、有機酸が生成され、独特の香り成分が生まれます。その結果、味は濃く、複雑になり、独特な風味が余韻として残ります。


なぜオレンジワインと合うのか

一言でいうと、ワインと料理の「旨味の密度」が合うから。オレンジワインは果皮ごと発酵させることで、ポリフェノール、複雑な風味、時間による変化を兼ね備えます。同じく発酵食品も強い旨味と複雑味を持ちます。熟成ニュアンス系・野性的なオレンジワインは、塩辛やへしこのような個性的な食材にも合います。中〜やや強めのタンニンが骨格を作り、ワインの味は微動だに崩れません。お互いが共鳴し合います。オレンジワインが最も得意とする分野です。


合う/合わないオレンジワイン

〇 ほどよいバランスオレンジ(軽い漬物まで)3

〇 コクありオレンジ 4

〇 しっかり渋みオレンジ 5

× すっきり軽めオレンジ 1

× さっぱり酸ありオレンジ(料理が勝つ)2


料理例

ぬか漬けの盛り合わせ、粕漬け鮭、熟成寿司、酒盗、へしこ、イカの塩辛、カラスミ、長期熟成の味噌や醤油など。


実践のコツ

旨味が濃く、個性が強い食材ほど、ワインにもボディや複雑さが必要です。タンニンは中程度以上、果実の厚み、熟成による丸みがあるワインを選びます。軽いワインを合わせてしまうと、さらにワインは薄っペらく感じてしまいます。

まとめ

日本食とオレンジワインが合うのは偶然ではありません。それぞれを感覚ではなく「味の仕組み」で整理しました。合わせる理屈がわかるとペアリングが楽しくなります。あとは、グラスの中で確かめるだけです。
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オーナー紹介・大野みさき

大野みさき
元ANA国際線CA。ワインを学ぶため渡仏し、ヨーロッパ各地の生産者を訪ね歩く。そこでスロべニアワインの魅力に出会い、帰国後、365wine株式会社を設立。以来、現地の収穫や醸造にも加わり、生産者と共に歩んでいる。ワイン講師、輸入アドバイザー、発酵好きとして、香り・味わい・背景まで含めて「ワインと出会う体験」を届けたいと奮闘する日々。訪問国は47ヶ国。

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