スパイスと鉄分のワイン!
貴方の知らないロゼ!
※7月〜9月頃まではクール便のみの配送となります※
Profile
タイプ/ロゼ(辛口度 ★★★★☆)
産地/スロヴェニア、プリモルスカ
生産者/ZARO(ザロ)
品種/ネグラテネラ50%、レフォシュク(コ)50%
ヴィンテージ/2019
アルコール度数/13%
容量/750ml
適温12℃
Taste
赤ワインと見間違えるような、濃いビビッドカラーのロゼです。ベリーやスミレの香り。ペッパーやクミンなどのオリエンタルな鼻をくすぐるスパイス香が感じられます。ジューシーな酸が下支えになっており、味わいはしっかりと濃く、落ち着きのある大人の辛口ロゼです。鉄分がかなり豊富なのと、アフターに塩味もあります。ロゼワインの概念が変わるほどのパンチのある味わいです。スクリューキャップ仕様なのでワインオープナーは不要です。そんな手軽さからキャンプやアウトドアにもおすすめです。
Mariage
《おすすめの料理》 タンニンもしっかりと感じるので、冷やし過ぎず高めの温度でお召し上がり下さい。おすすめは12℃以上です。(寒い時期は常温でもOK)オイルサーディンを使ったサラダやパスタ。鉄分が豊富なので牛肉や鮪のカルパッチョ、鰹のたたき、ホタルイカ、魚の内臓系ともよく合います。その他に春雨サラダ、南蛮漬け、水炊き、餃子、冷しゃぶポン酢、チキンのグリル。酸が豊かで辛口なので、どんな料理とも合わせやすいです。ZAROのイチオシはスズキのカルパッチョや甘海老、帆立、シーバスなど。このワインが造られたイゾラ近海でもよく食べられる魚貝です。マリアージュの万能選手なので、長くなってしまいましたが色々と試してみて下さい。
Wine Making
ワイン名のネグラテネラは、古くからイストラに育つグリ系の土着品種です。イタリア語でネグラ=ダーク(暗い)、テネラ=エレガントの意味を持ちます。果皮に対する果肉の割合が大きいのですが、色素が濃い白ぶどうなので、ワインも色濃く仕上がります。ブレンドされている相方は、レフォシュクです。レフォシュクはイタリアではレフォスコ(カルスト地方ではテラン、クロアチアでもテランなので争っています)と呼ばれている黒ぶどうです。酸が強くタンニンも中程度ある品種です。また、スロヴェニアの産院では、お医者様が妊婦さんの鉄分補給のために、1日1杯のレフォシュクを飲むようすすめています。(余談ですが病院ではワインが販売されていて、無事に子供が産まれたら家族で乾杯してお祝いします) このネグラテネラとレフォスクの2つを混醸して造っています。24時間ほど醸したのちソフトプレスして14〜18℃で発酵させます。その後、ステンレスタンクでシュールリー熟成を半年施します。黒ぶどうと白ぶどうが畑で混ざっている混醸法と、セニエ法(赤ワインと同じように醸して造る方法)の2つを組み合わせて造ったロゼワインです。畑で混植(ドイツやオーストリアではよくある)されているので、収穫の時点で2種類のぶどうが混ざっている状態です。この文章を書いていて、何ワインなのかわからなくなってきました(笑)ロゼワインとしておきましょう。土壌も気候も風(天気)も余すところなくアドリア海の影響を受けています。同生産者のマルバジア白と同様にたっぷりのミネラルと海を感じて頂けるワインとなっています。
Story
ZAROは1348年からスロヴェニア南西部のイゾラという港町(イストラ地区)でワインを造り続けています。創業700年の歴史を誇り、イストラ半島では最古のワイナリーです。設立当初は2haのオリーブ畑からはじめて、今やワイン産業がメインとなりましたが、ぶどう畑とオリーブ畑を合わせて20haほど所有しています。0.5ha以下の小規模な生産者が多いスロヴェニアでは、20haは広大ですが、全て家族で切盛りしています。
先祖から代々受け継いだ伝統を今に伝えます。畑の耕作や醸造においては、より良いワイン造りを求めて、現代的なアプローチでアップデート&アップグレードしてきました。ZARO家の長い歴史の中で、スロヴェニア共和国が誕生する以前の社会主義国家時代は、生産者の元詰めが禁止されていました。1991年に旧ユーゴスラビアから独立すると、ZARO家でも1994年より栽培からボトリングまでを一貫して行うことになりました。近年では2015年に世代交代し、現在は32歳の若きマテーシュを筆頭に、ワイン造りに精を出しています。
春から秋にかけて、ZAROの畑は色とりどりの花畑と化します。蝶が舞い沢山の生き物の住処となります。雑草(カバークロップ)は表土を守り、土壌の水分を保ちます。畑はPH7〜7.2の中性の土壌で、貝殻も見られます。海岸からわずか1キロメートルの距離で、昔はこの一帯は海の底でした。そのため土壌にはミネラルが豊富で、それらはワインにも影響を及ぼしています。80%の畑が35〜45°の丘の傾斜の中腹に広がり、全て南に面しています。1日(10時間/日以上と)長きに渡り太陽を浴び、十分な日照量が確保できます。斜面を海風が吹き付けるので、湿気は低くぶどうはカビなどの病気からも守られます。
ZAROは各々のキュヴェで、目指すワインのスタイルによって、ぶどうの房数や葉の枚数をコントロールしています。また、畑の区画、収穫のタイミング、選果基準を変えています。例えば黒ぶどうのレフォシュクでは、フレッシュなロゼワイン用には、酸味がピークの9月上旬に収穫します。同じ品種でも上級キュヴェの赤ワイン用には、糖度が最高になるまで待ち、水分が凝縮されて果皮にシワがよるまで待って摘みます。果汁は糖度計で30度あります。とても甘いのですが、この品種は酸が豊かなので、実に良いバランスです。「ワインの全てはぶどうからはじまる」とZAROは信じています。
どんな理由で自然派ワインを造っているのか質問しました。ワインを哲学する時、好きが根底にあることが大切だとマテーシュは語ります。食品に厳しいスロヴェニアは、オーガニック産業の先進国です。自然に沿ってぶどうを育てワインを造るのが重要だと彼は答えました。熱心に先輩たちから学ぶ若者の姿勢、困った時にはお互い助け合い、イストラの生産者ネットワークには、現代では希薄になってしまった人間関係が密に感じられます。チャレンジ精神が旺盛な世代が、これからもスロヴェニアのワイン業界を牽引していくことでしょう。ZAROマテーシュもその一人と想像します。