みなさんは、記憶に残る赤ワインはありますか?
「スロヴェニアワイン」と聞くと、多くの方は白ワインやオレンジワインを思い浮かべるかもしれません。
実際、スロヴェニアのワイン生産の多くは白ワインが占めています。 365wineでも、オレンジワインをきっかけに、同国のワインを知ってくださる方がいます。
でも、そんな「白の国」において、古くから深く根を張ってきた、外せない黒ぶどうがあります。
それが、「レフォシュク」です。
アドリア海の北部に位置するこの地域で、国境を越えて愛されてきたこの品種。 お隣のイタリアでは「レフォスコ」として知られ、隣接するクロアチアのイストラ半島では「テラン」という名前で長く親しまれてきました。
実は、この「テラン」という呼び名をめぐって、かつてスロヴェニアとクロアチアの間で議論になったことがあります。 名前ひとつで国境を越えたバトルになる。 少し大げさに聞こえるかもしれませんが、それほどまでにこのぶどうは、その土地の記憶や歴史、そしてプライドと結びついています。

単に「赤ワイン用のぶどう」という言葉では片付けられない。 土地の人々が大切にしてきた時間が、この品種にはあります。
白ワインの印象が強いスロヴェニアの中で、このレフォシュクのポテンシャルを信じ、本気で向き合い続けている造り手がいます。
それが、イストラのワイナリー 「ROJAC(ロヤッツ)」です。
ロヤッツのワインには、自分たちの土地の赤を信じ抜く、真っ直ぐな強さがあります。
レフォシュクは、決して軽快な赤ではありません。 黒みを帯びた深い色。 ブラックベリーやカシスに重なる、少し野性的なスパイスの香り。 そして、引き締まった豊かな酸と、ギュッと詰まった果実の密度。
濃いのに、重たいだけではない。 酸が美しいからこそ、食事と一緒に楽しんだ時も最後までだれることがありません。 喉を通り過ぎたあとも、心地よい余韻がしっかりと残る。
だからこそ、記憶に残るのです。

来週に迫った「父の日」の食卓を彩る1本としても、自信を持っておすすめできます。
ただ、ギフトという枠を抜きにしても、今この品種の持つ物語とともに味わっていただきたい赤です。
白の国が育んだ、記憶に残る赤ワイン。 ぜひ一度、グラスの中で確かめてみてください。




