今年は桜の開花が早く、地域によっては、散りはじめているところもあるかもしれません。
桜は、どこに行っても、桜です。
ソメイヨシノなど品種の違いはあれど、世界中で同じ花が、同じように咲いています。 しかし、それを見る人や、その土地の文化によって、まったく違う含みを持つようになります。
日本では、桜は「ただの花」ではありません。 卒業と入学、別れと出会いの季節を繰り返しながら、家族の成長や自分の人生を、一本の木に投影してしまう。 満開の美しさだけでなく、散りゆく姿にまで意味を見出します。

その一方で、海外では桜は、チューリップと並ぶ「春の花」として楽しまれることが多いように感じます。
以前スロべニアで桜を見た時も、人々は特別な感情を重ねるというより、ただ「春の美しい花」として楽しんでいるように見えました。
同じ桜でも、映っているものが異なるということです。
同じワインでも、ただのアルコールとして飲まれることもあれば、その背景や時間、生産者の想いまで感じながら、ひとつの“体験”として味わわれることもあります。
モノは変わらなくても、飲み手が変われば、その意味は変わる。
桜もワインも、そこに何を重ねて見るかで、まったく別のものになります。
そんなことを思いながら、季節の一杯を楽しんでみるのもいいかもしれません。




