私の周りだけでしょうか。 ワイン好きと話していると、なぜか蕎麦好きが多い気がします。
かくいう私も、かなりの蕎麦好き。 仕事で福井へ行くと必ず、越前そばを食べます。 十割が好きで、出張は「3食あみだそばがよい」と思うほどです(笑)。

私がスロベニアワインを輸入していたことから、 福井市の街イベントにお声がけいただいたのがはじまりでした。 初めて訪れた時には、蕎麦打ちも体験。 それ以来、福井へ行く楽しみのひとつが、そばになりました。

その後、2025年9月22日、福井市とスロベニアのクラン市は姉妹都市になりました。
両地域の共通点のひとつが「そば食文化」。 ワインがきっかけで訪れた福井とスロベニアが、 蕎麦でもつながっているというのが、私には何とも嬉しい話です。
スロベニアでは、蕎麦は昔から親しまれてきた食材です。 ただし、日本のような細長い「そば切り」ばかりではありません。
蕎麦の実を煮たり、粉を練ったり、パンやお菓子に使ったり。 日常の食卓に、さまざまな姿で登場します。
例えば、蕎麦粉を使った「ジュガンツィ」や、 蕎麦の実ときのこを合わせた料理。 日本とは違う食べ方ですが、素朴な穀物の香りを楽しむところに、 どこか親しみを覚えます。

そして日本には、「蕎麦前」があります。
まず酒と肴を楽しみ、最後に蕎麦をたぐる。 蕎麦屋には昔から、お酒を楽しむ場所としての顔もありました。
挽きたての蕎麦の香り。 噛んだときの食感と喉越し。 その後に残る余韻。
ワインもまた、香りや口当たり、余韻まで楽しみます。 五感を使って丁寧に感じ取るところが、 どちらにもあるのかもしれません。
365wineのスタッフが、蕎麦の実を使った料理とワインの ペアリングに挑戦しました。
たまり醤油と鰹節に、ルッコラをプラス。 蕎麦の実がクルトンのような食感と香ばしさを添えてくれました。
ルッコラのほろ苦さが加わると、オレンジワインとは好相性。 サラダに蕎麦の実、これは使えそうです。
蕎麦の実味噌、チーズ、きのこを プレーンピッツァにのせて焼きます。
味噌のコクと穀物の香ばしさ、チーズときのこの旨みが重なると…… こちらは赤ワインの方が合いました。
実際に試したから分かるのも、ペアリングの面白いところです。

2013年ヴィンテージのKABAJの上級オレンジワイン。 長い熟成を経て、アプリコットや熟した桃、 蜂蜜を思わせる香りが広がります。
やわらかな酸と複雑な味わいがゆっくりほどけ、 余韻にも長く続きます。
蕎麦前のように、まず料理とワインをゆっくり楽しんで、 最後に蕎麦で締めくくる。 そんな夜にも試してみたい一本です。

今飲む分と、少し先まで残しておく分。 時期や料理を変えながら、一本ずつ楽しむのもおすすめです。
じっくり味わいたい、熟成オレンジワイン。
日本とスロベニア。 ずいぶん離れた国なのに、蕎麦とお酒を並べてみると、 意外と似た食卓を囲んでいるのかもしれません。
次に蕎麦を食べる夜は、ワインもぜひ!
福井市「クラン市の紹介」 |姉妹都市提携の経緯と交流
Slovenia.si「Ajda - Beneficial to people and excellent for bees」 |スロベニアの蕎麦文化
そばの散歩道「そば屋と酒」 |日本の蕎麦と酒の歴史



