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酒飲みに朗報? ワインと健康をめぐる2つの研究
2026.08.10

猛暑が続く季節。 こんな暑い日は、よく冷えた白ワインやスパークリングワインが、いつにも増して美味しく感じられます。

だけど、好きなものだからこそ、無理なく楽しみたいもの。 「少しのワインなら、体によい」。 酒飲みが待ち望んでいた答えは、果たして出たのでしょうか。

酒は百薬の長?ワインを飲む時には水も一緒に飲む

2018年、医学誌 The Lancet に、世界195ヶ国・地域を対象とした研究が掲載されました。 この研究は、がんやけがを含む飲酒による健康への影響を総合し、「健康への害を最小にする飲酒量はゼロ」と結論づけました。

「酒は百薬の長」ではなかったのか。 ワインラバーは、少し肩を落としたかもしれません。

それから8年。 2026年7月、学術誌 Scandinavian Journal of Public Health に、少量のワインを飲む人は、飲まない人より死亡率が低かったとする研究が発表されました。

ノルウェーの約18万7千人を平均21年間追跡したもので、14日間に1〜9杯のアルコールを飲んでいた人は、飲まない人より、あらゆる原因による死亡率が低いという結果でした。 なかでも、その差が目立ったのが、ワインを飲んでいたグループです。

「やはり、少しのワインは体によい」。 そう言いたくなります。

けれど、この研究で「ワインを飲めば健康になる」と証明されたわけではありません。 飲酒量を調べたのは、調査開始時の一度だけです。 グラスの大きさも分かりません。 飲まない人の中には、体調を崩して飲酒をやめた人も含まれていたかもしれません。 さらに食生活については、詳しく扱われていません。

つまり、この研究から言えるのは、少量のワインを飲んでいた人たちの死亡率が、飲まなかった人たちより低かったということ。 ワインを飲んだことが、その差を生んだとは断言できません。

今回の論文によって、2018年の結論が覆されたわけでもありません。 この2つの研究は、同じ問いに「○」と「×」で答えたものではなく、そもそも調べた内容も方法も違うのです。

今回の結果だけを切り取り、「ワインは体によい」と書けば、売り手には都合のよい話です。 しかし、私たちはそうは言いません。

ワインは、健康のために飲むものではありません。また、健康を無視して飲むものでもありません。

厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、飲む量をあらかじめ決めること、食事をとること、水をはさみながらゆっくり飲むこと、飲まない日を設けることなどが示されています。

飲まない人には、無理にすすめない。 飲む人は、自分に合った量と飲み方を選ぶ。

「体によいから」ではなく、「好きだから」。 好きなものと長く付き合うために、少しでもリスクを減らす。 今後、新しい研究が発表されても、よいこともそうでないことも、包み隠さず正直にお伝えできればと思っています。

お盆休みに飲む方も、休肝日の方も。 どうぞ、それぞれの心地よい夜をお過ごしください。

酒は百薬の長?飲まない夜の風景
参考文献・資料

GBD 2016 Alcohol Collaborators「Alcohol use and burden for 195 countries and territories, 1990?2016」The Lancet, 2018

Aage Tverdal, Randi Selmer, Dag S. Thelle「Associations between beer, wine, and spirits consumption and major mortality outcomes in 187,294 Norwegian men and women, with a focus on low-level wine intake」Scandinavian Journal of Public Health, 2026

厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」

スロベニアワインを見る →

好きなものと長く付き合うために、
今日の一杯も、自分のペースで。

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オーナー紹介・大野みさき

大野みさき
元ANA国際線CA。ワインを学ぶため渡仏し、ヨーロッパ各地の生産者を訪ね歩く。そこでスロべニアワインの魅力に出会い、帰国後、365wine株式会社を設立。以来、現地の収穫や醸造にも加わり、生産者と共に歩んでいる。ワイン講師、輸入アドバイザー、発酵好きとして、香り・味わい・背景まで含めて「ワインと出会う体験」を届けたいと奮闘する日々。訪問国は47ヶ国。

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